今使っているマットレスは圧縮できるのか?
引っ越しを控えている方は、自分でマットレスの圧縮ができないものかと1度は考えるのではないでしょうか。
マットレスはシングルサイズでも、自分で移動するには重労働で、大型の車がないと運ぶことも難しいです。引っ越し業者や配送業者に依頼するのも、意外と費用がかかってしまいます。
今回は、マットレスの圧縮方法と注意点、実際に圧縮して運搬した筆者の体験談をお伝えします。短時間でマットレスの圧縮ができる上に、難しい作業は一切ありません。引っ越し費用を安くおさえたい、自分でマットレスを運びたいという方におすすめの方法です。
マットレスの運搬方法に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
マットレスは自宅で再圧縮できるの?
配送時に圧縮されていたマットレスは、圧縮袋とバルブにつなげることができる掃除機があれば自宅で再圧縮が可能です。
ただし、マットレスの素材や構造によっては圧縮できないものがあります。
素材 | イメージ | 圧縮 | 注意点 |
---|---|---|---|
ウレタンフォーム | 特になし | ||
ポケットコイル | コイルが並行配列、かつ ボーダーワイヤー がなければ可能 | ||
ボンネルコイル | ボーダーワイヤー がなければ可能 | ||
ラテックス | 特になし | ||
ファイバー | 可能だが、ヘタる可能性が高い |
ポケットコイルであれば並行配列で、かつ「ボーダーワイヤー」という金属の外枠がないものに限ります。交互配列やボーダーワイヤーは圧縮し、丸めることが出来ないのです。ボンネルコイルも同様で、ボーダーワイヤーがないものに限り圧縮ができます。
ファイバーマットレスは立体構造になっているため、圧縮するとその構造が崩れやすくなります。立体構造が崩れてしまうと、マットレスの復元は難しくヘタる可能性が高まるのです。
圧縮する前には、必ずマットレスの種類を確認し準備に取り掛かりましょう。
マットレスを圧縮する方法
マットレスの圧縮は、どの素材でも同じ方法で行います。三つ折りマットレスの場合は準備する袋が異なりますので、順番に詳しくご紹介します。
【分厚いベッドマットレス】用意するもの
マットレスの圧縮には、以下のものを準備します。
- マットレス対応の圧縮袋
- バルブに対応している掃除機(またはバルブ用の電動吸引ポンプ)
マットレス対応の圧縮袋
布団用の圧縮袋で圧縮は可能ですが、必ずマットレスが入るサイズのものを使用する必要があります。大きな圧縮袋は実店舗でほぼ販売がないため、Amazonなどネット通販での購入がおすすめです。
圧縮袋は3サイズから選択でき、130×240cmは『セミシングル』、200×250cmは『シングル~クイーン』、240×250cmは『クイーン~キングサイズ』に対応しています。一番小さいサイズにシングルのマットレスを入れることもできるのですが、ギリギリで袋が破れやすかったり圧縮が解けやすいため、上記の目安がオススメです。
掃除機または電動吸引ポンプ
自宅で使用している掃除機が圧縮袋のバルブに合えば、新しく吸引ポンプを買う必要はありません。しかし、「自宅にハンドクリーナーしかない」「掃除機の吸引力が弱い」という方は以下のバルブ用電動吸引ポンプを使ってみましょう。
【三つ折りマットレス】用意するもの
- やや大きめの圧縮袋
- バルブ対応掃除機(またはバルブ用の電動吸引ポンプ)
やや大きめの圧縮袋
三つ折りマットレスは、やや大きめの布団圧縮袋で圧縮が可能です。以下のような袋を使用してください。
筆者が厚さ10cmの三つ折りウレタンマットレス(シングルサイズ)を上記の袋(XL)で圧縮したところ、1枚の袋で問題なく圧縮ができました。
※掃除機や電動バルブはベッドマットレス同様のため省略します。
マットレスの圧縮方法
マットレスの圧縮は、以下の手順で行います。
- 圧縮袋にマットレスを入れる
- 圧縮袋のチャックをしっかり閉じる
- 掃除機や吸引ポンプで吸引する
- バルブの蓋をする
圧縮袋へマットレスを入れ、バルブがマットレスの上の位置にくるよう調整します。
袋に隙間があると、圧縮の効果が弱くなり吸引時間が長くなってしまいます。空気を吸引する前には、チャックに隙間がないか入念にチェックしてください。
バルブに掃除機や吸引ポンプを差し込み吸引します。このとき、吸引しながらマットレスに乗って潰すのがオススメです。
吸引は2人で行い、吸引する人と潰す人に分かれて作業すると効率よく進みます。
この方法で、ほぼすべてのマットレスが7~10cmほどに圧縮できます。作業人数やマットレスの種類により若干の違いはありますが、圧縮時間は約10分弱です。
圧縮ができたら、バルブの蓋をしっかり閉めて完了です。
ウレタンやラテックスマットレスは圧縮後に丸め、付属のバンドで留めます。
コイルマットレスは硬いため、うまく丸めることができません。二つ折り程度なら可能ですので、別の長いバンドで留めると運びやすくなるでしょう。
マットレスを圧縮する際の注意点
マットレスの再圧縮には、以下の4点に注意してください。
- 長期間開封しないとヘタる
- 袋に破れや穴があると圧縮できない
- 電動吸引ポンプの連続使用時間
- 圧縮後はメーカーの品質保証対象外の可能性がある
長期間開封しないとヘタる
マットレスの圧縮は、引っ越しなどの短期間に向いています。
長い期間圧縮された状態が続くとマットレスに負荷がかかり、コイルやウレタンの構造が変化して寝心地が変わったり、ヘタってしまう可能性が高まります。そのためマットレスの圧縮は、長期間使用しない場合は控えましょう。
袋に破れや穴があると圧縮できない
袋に破れや穴があると、空気が漏れてしまうため正常に圧縮することができません。
慎重に扱うのはもちろん、サイズが合わないものを使用し、無理に引っ張ったりすると袋が破れる原因になりますので、マットレスに適したサイズを使用しましょう。
また、長期間袋を使用しない場合は、必ず保存用の袋やケースに入れてください。むき出しのままで袋を保管すると、気づかないうちに穴があいてしまう可能性があります。
電動吸引ポンプの連続使用時間
電動吸引ポンプはハイパワーで発熱しやすいため、説明書の連続使用時間を必ずよく読んでください。メーカーの推奨時間を超えての使用は破損の原因になります。
万が一吸引ポンプが熱くなってきたら、すぐに使用を中止し本体を冷ましましょう。
圧縮後はメーカーの保証対象外になる可能性がある
マットレスを圧縮してしまうと、販売メーカーの品質保証が適用されない可能性があります。
基本的にメーカーの品質保証は、通常の使い方をしている場合に限ります。再圧縮を想定して製造はされていないため、圧縮する際は保証が適用されない場合もある、ということを考慮しておきましょう。
実際に自宅でマットレスを圧縮して感じたこと
筆者が実際にマットレスを圧縮した感想をお伝えします。引っ越しの際に、自分で運搬も行いました。これから圧縮をしようと考えている方の参考になれば幸いです。
自分で引っ越しをするときに便利
自家用車で引っ越しをするなら、マットレスを圧縮するととても楽に運べます。
シングルサイズのマットレスが軽自動車ですら余裕をもって運べる大きさになり、他のものも一緒に車へ積めました。家と引っ越し先まで往復する回数が減るため、作業時間の短縮、体力の負担も減ります。
マットレスだけ別に配送業者へ依頼する手間や配送料、買い替えの必要もなくなったため、引っ越し費用の節約にもなりました。
「お金をかけず楽に引っ越しをしたい」という方に圧縮は特におすすめです。
マットレスは2人で圧縮・運搬すると楽
バルブを吸引する人とマットレスを潰す人に分かれて圧縮作業すれば、効率よく進み時間の短縮になります。
また、圧縮後のマットレスはコンパクトになりますが、実際の重さは圧縮前と変わりません。素材によって異なりますが、分厚いベッドマットレスであればシングルでも10~20kgあるため、大人2人での運搬が無難です。
圧縮袋を雑に扱うと穴が空いてしまう
筆者はいくつかの圧縮袋を試しましたが、圧縮した状態で雑に引きずったり保管していると、気付かぬうちに小さな穴が空いてしまいます。穴が空いていると、数時間で徐々に空気が入り厚みが戻ってしまうので注意が必要です。
ちなみにマットレス対応の圧縮袋は、現時点で日本製のものを見つけることはできませんでした。
信頼性の低そうな海外メーカーから購入するしかないのですが、引っ越しで数時間圧縮する程度なら持続時間に問題を感じたことはなかったです。前日に準備すると空気が入ってしまう恐れがあるので、出発する直前の圧縮をおすすめします。
マットレスを圧縮しない場合の配送料は?
マットレスを圧縮せずに、配送業者に依頼する場合はどれくらいの費用になるのでしょうか。ヤマトと佐川での『東京発~大阪着』の料金を以下にまとめました。
サイズと3辺合計 | ヤマト | 佐川 |
---|---|---|
シングル(約315cm) | 19,525円(350サイズ) | 21,230円(350サイズ) |
セミダブル(約335cm) | 19,525円(350サイズ) | 21,230円(350サイズ) |
ダブル(約355cm) | 26,345円(400サイズ) | 29,590円(400サイズ) |
※金額は税込
配送する商品の3辺合計(横+奥行+高さ)で料金が設定されています。表の例では、マットレスの厚みを15cmで計算しました。
マットレスは大型家具・家電の分類になり、通常の荷物に比べて料金設定が高くなっています。シングルとセミダブルで料金が同じなのは、2社とも3辺合計が350・400・450と50cm単位で変化するためです。
どちらもネットから簡単に申し込みができますが、ヤマトの場合は400サイズから電話で問い合わせをする必要があります。
配送後、お部屋までの搬入やベッドへの設置を希望する場合は、オプション料金の追加で開梱設置サービスも利用できます。自分で作業する必要が一切ないので、金額に負担を感じない方には便利なサービスです。
マットレスを圧縮せず買い替えを視野に入れるのもあり
マットレスを圧縮し直すよりも、買い替えを選んだ方が良い方もいます。
- マットレスにヘタリや汚れがある
- 圧縮できないマットレスを使っている
- 圧縮するのが面倒
- 自分でマットレスを運びたくない
- 圧縮して寝心地や構造の変化がないか心配
このような方は、マットレスを圧縮して自分で運ぶよりも買い替えを検討しましょう。
以下の記事で、おすすめのマットレスをご紹介していますので、引っ越しなどで買い替えを考えている方はぜひご覧ください。寝心地や予算別に最適なマットレスをお伝えしています。
また、買い替え前には使用中のマットレスを処分する必要があります。以下の記事では、買い替えに最適なタイミングや、マットレスの処分方法について詳しく解説しています。自治体での処分方法、不用品回収業者への依頼などケース別にまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。
まとめ
マットレスの再圧縮方法についてご紹介しました。マットレス対応の圧縮袋と掃除機があれば、自宅で誰でも圧縮ができます。
実際に筆者も引っ越しで簡単に運ぶことができ、余分な費用がかからずとてもお得に感じました。
手軽に行えるため、転勤が多い方や頻繁に引っ越しをされる方にはおすすめの方法です。せっかく購入したお気に入りのマットレスをぜひ長く大切に使ってください。
もし圧縮ができなくても、配送業者への依頼や買い替えで解決できます。ご自身の状況に合わせて、マットレスをうまく使用していきましょう。