「ちゃんと寝なければならない日に限ってなかなか寝れない。」
という経験ありませんか?
寝たいのに寝れないのは、睡眠不足で次の日のパフォーマンスにも影響しますし、何もできない時間は苦痛ですよね。
寝付けない原因はストレスや病気・症状、体内時計の乱れ、カフェイン、部屋の明るさなど、山のようにあり、
またその対処法もたくさんあります。
このページでは寝付けない原因と、その対処法について詳しく紹介します。
原因と対処法を知ることで、睡眠をコントロールできるようになり、毎晩悩まなくて済むことになるでしょう。
長いページになっておりますので、下の目次からお好きなところだけ読んでいただくか、ブックマークして後で見返すと良いと思います。
寝れない時の原因は大きく分けて5つ
日によって様々な環境や状況があるため、たまに寝付けないということは誰しもあります。
しかし、寝付けない日が毎日のように続くのであれば、その原因と向き合ったほうがいいかもしれません。
寝付けない全ての原因は大きく分けると5種類あります。
1.精神的原因(ストレス)
精神的原因とは、主に何かしらのストレスによって考えすぎて、脳が興奮状態になってしまうケースです。
寝る前というのは暗くて視界からの情報が少なくなるため、考え事をすることが多くなります。
「考え事で眠れなくなってしまった。」という経験が皆様にもあるのではないでしょうか。
例えば次のような場面が挙げられます。
- 明日の起きる時間がいつもよりも早い
- 大事なプレゼンの前日
- 家族の具合が悪くなってしまった・亡くなってしまった
- 楽しみな旅行の前日
など
「いつもより早いから起きられるか心配」や「明日のプレゼンでうまく話せるかな」といった不安が心理的な緊張を引き起こすため、脳が興奮状態になり寝付きにくくなります。うつ病も精神的原因に含まれます。
また、ストレスではなく楽しみな気持ちが強いのも、これまた脳は興奮状態になってしまいます。皆さんも旅行の前日などに経験したことあるのではないでしょうか。
とは言っても、毎日のように次の日が楽しみで眠れないという方はなかなかいないと思いますので、悩んでいる方のほとんどがストレスによる不眠となります。
つまり、寝る前にどうやってストレスを持ち込まないかが重要になってきます。
2.身体的原因(病気や症状)
寝る前に病気やその他の症状が出てしまうとなかなか寝れないという場合もあります。
例えば次のようなものが挙げられます。
- 呼吸器疾患による咳や発作
- 高血圧による胸の苦しさ
- リウマチ
- 花粉症
など
痛い、苦しい、かゆいなどの様々な症状にどうしても意識が持っていかれ寝付けない状況になってしまいます。
身体的原因につきましては、その病気や症状を治す・一時的に抑えることでしか改善がされません。それぞれの病気や症状に合った対策をして、少しでも寝付きやすい状態にしましょう。
3.生理的原因(体内時計の乱れ)
生理的原因とは、体内時計が乱れてしまい、寝たい時間に眠ることが出来ないことを指します。
例えば次のような場合が挙げられます。
- 夜勤で昼夜が逆転してしまった
- 海外出張により時差ボケした
- 一日中家の中にいて、陽の光を浴びていない
など
生活習慣が大きく変わると、寝たいタイミングでもまだ脳が冴えているということがかなり多くあります。
また、人間の体は光を浴びることで体内時計がスタートすると言われていますので、光を浴びずに一日過ごしてしまうと体内時計が狂って寝付けないことがあります。この後紹介する対処法で光について詳しく説明いたします。
4.薬理学的原因(就寝前のカフェインや刺激物など)
コーヒーや緑茶などの覚醒作用のあるものを摂取して眠れなくなる場合がこちらに当てはまります。
例えば次のようなものが挙げられます。
- コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどのカフェイン
- タバコのニコチン
- 服用している薬
など
カフェインは意外と長く体に覚醒作用をもたらすため、良い眠りにつきたいならコーヒーを飲む時間も気にした方が良いです。カフェインに関してもこの後の対処法で詳しく説明いたします。
5.環境的原因(音・光など)
環境的原因には、寝る前の部屋の明るさから、自分の体に合っていない寝具まで、様々な要因が含まれます。
例としては次の要因があげられます。
- 音
- 光
- 気温・湿度
- 寝具
など
環境的原因について気にするようになると、実は結構これらに関しては敏感だということに気づくかもしれません。
というのも、寝る前の部屋が明るいと脳が醒めてしまうのがはっきりわかったり、寝る前に静かな部屋でリラックスする音楽をかけると寝付きやすい、というのを感じることができます。
「光や音まで気を使えない!」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、快眠を求めるならこの原因は無視できません。
寝たいのに寝れない時の対処法11選
眠れない時の対処法をいくつかご紹介します。
『この対処法はこの原因に効きやすい』というのはありますが、関係のないように感じる対処法でも、やっておくと寝付きやすくなることがあります。全ての対処法をやるのは難しいと思いますので、できることからやってみましょう。
対処法①:考え事を紙に書き出す
考え事をしてしまい眠れなくなってしまうようであれば、その考え事を紙に書き出してみましょう。
考え事で寝れない場合は、『忘れてはならないことを考えてしまう』と『嫌な気持ちがあるせいで考えてしまう』の2種類に分かれると考えています。
しかしどちらにせよ、紙に書き出すことは有効です。
忘れてはならないことを書き出せば、忘れないという安心感で深く考えなくて済みます。
嫌な気持ちがあるならば、書き出すことでストレスを発散した感覚になり軽減することができます。
紙に書き出すことは今日からすぐにでもできる簡単なことなので、考え事で眠れない時はぜひやってみてください。
対処法②:寝る30分前には部屋の電気を暗くする
明るく白い光は入眠を妨げるため、最低でも寝る30分前には部屋の電気を常夜灯(オレンジの小さな電気)にしましょう。
目からの刺激を極力小さくすることで、眠たくなりやすく、リラックスしてスムーズに入眠できます。
部屋を暗くしている時間は、なるべくスマホの画面を見ず、脳もリラックスできることをするのが良いです。
例えば、マッサージや足を上げたりして一日の疲れを軽減したり、落ち着く自然の音を流してみたり、アロマを焚いてみたり…。
読書も悪くはないのですが、ものによっては頭が冴えてしまうため、内容は選びましょう。
例えば、漫画や小説なんかは一見リラックスして良さそうに感じるかもしれませんが、おもしろく釘付けにさせようとして作られているのでドーパミンが出てしまいます。
また、仕事に関係する本も頭を働かせてしまう可能性が高いです。
続きが気にならないもの、あまり興味がないジャンル、雑誌などは比較的寝る前の読書に適していると言えます。
※Kindleでの読書は全然問題ありません。
対処法③:朝イチに陽の光を浴びる
人間の体は光を浴びることで体内時計がスタートしますので、起きたら光を浴びることは習慣にしましょう。
人間の体は、部屋の3~5倍の明るさを浴びると体内時計がスタートし、約16時間後に眠気がやってくると言われています。
理想は朝のウォーキングですが、忙しくて時間がない方は、部屋の窓際1m以内で数分間陽の光を浴びるのでも問題ありません。窓際1m以内であれば部屋の約6倍の明るさがあります。
光をしっかり浴びずに一日過ごしてしまうと、夜眠れなくなる可能性がありますので習慣化できると良いですね。
対処法④:ルーティンを組む
ルーティンを組み、習慣化することで、潜在的に脳に行動パターンを刷り込むことができます。
例えば私の場合は、『寝る1時間半前にお風呂に入り、お風呂上がったらセルフマッサージをし、その後は暗めの部屋で自然を感じる音楽を静かに流しながら、足を上げて読書をし、就寝』といったルーティンを組んでいます。
このようなパターンを毎日続けていくことで、生活リズムとして定着していきます。習慣化するまでに時間はかかりますが、体が覚えてしまえばちょっとした考え事があっても寝付けるようになります。
対処法⑤:寝る7時間以内にカフェインを摂取しない
カフェインの脳を興奮・覚醒させる作用は2~4時間ほど効き、ピークは3時間経過した頃だそうです。
ただ、4時間経っても完全には切れていなく、効果がほぼゼロになるのは7時間ほどかかると言われていますので、寝る7時間以内には摂取しないようにしましょう。(コーヒーの場合)
カフェインが多く含まれている飲み物は、コーヒー以外にもたくさんあります。
例えば、緑茶や紅茶などの『お茶』、エナジードリンクやコーラなどの『炭酸飲料』など、身近な飲み物にも含まれています。
もし今まで気にしていなかった方は、改めて注意してみるといいかもしれません。
参考:コーヒーに含まれるカフェインの量について効果や持続時間まで解説!
対処法⑥:就寝前に仕事・筋トレをしない
就寝前の仕事と筋トレは、リラックスするための『副交感神経』よりも、活発に動くための『交感神経』を優位にさせますので控えましょう。
ここでは交感神経は活発、副交感神経はリラックスというイメージを持ってもらえれば良いかと思います。
交感神経が優位と言ったら神経が興奮して心身が活発な状態を表しており、逆に副交感神経が優位と言ったら心身がリラックスしている状態を表しております。
寝る前に仕事をしてしまうと、その緊張感をそのままベッドまで持ち込んでしまいます。また、寝る前の筋トレは心拍数が上がって体が活発になってしまいます。どちらも交感神経が優位になっていると言えます。
交感神経と副交感神経についての詳しい説明はこちらをご覧ください。
≫自律神経って何?乱れるとどうなるの?|ココカラクラブ
あまり難しく聞こえないようにあえて、専門用語はあまり使っていなかったのですが、実は上記で挙げた原因や対処法も全て、交感神経と副交感神経が大きく関わってきています。気になる方はぜひ見てみてください。
対処法⑦:お風呂の時間や温度などを気にしてみる
睡眠と入浴には深い関係があり、今まで気にせずにお風呂に入っていた方はもしかしたら交感神経を刺激する入浴方法をしている可能性があります。正しい入浴方法を覚えると冷えにくく、入眠しやすい状態にすることができます。
有名な著書「スタンフォード式 最高の睡眠」で書かれているおすすめの入浴方法はこちらです。
- 寝る90分前にお風呂から出る計算をする。
- 40℃程度の湯船に約15分間浸かる。
- お風呂から上がったら靴下は履かない。(冷えてしまう人は寝る時間までは良いが、寝る時には脱ぐ)
90分前にお風呂から出る理由は、この最適な条件で入浴した際に一番眠気が訪れるタイミングだからです。
そしてその最適な条件である40℃というのは、交感神経を刺激しないで身体の芯を温めることができる温度ということになり、身体の芯が十分に温まるまでに約15分間必要だということです。
また、靴下を寝るときに履かないことも重要です。
『お風呂→快眠』を誘発させるには、一度湯船に浸かって上げた深部の体温を放熱してあげる必要があります。その際に放熱する役割を持つのが、手足なのです。靴下を履いたまま寝てしまうとしっかり放熱されないため、深い睡眠を得ることができませんので注意しましょう。
対処法⑧:作業部屋と寝室を分ける
今ではテレワークも多く、仕事を家で行う方も多いのではないでしょうか。
そこで一つ気をつけたいのが、作業部屋と寝室を一緒にしないということです。
作業部屋として使っている部屋は、その部屋にいるだけで潜在的に仕事をイメージしてしまいます。完全にリラックスするために別々にすることをおすすめします。
仕事のことを考えて寝れないという方はぜひ試してみてください。
対処法⑨:寝る時に耳栓を使用する
寝る時は、部屋が暗いため視覚からの情報がなくなり、物音もあまりしないため聴覚の情報も少なくなります。
そうなると考え事を始めてしまうことはよくあることだと思います。
しかし、私は耳栓を使うことで考え事を軽減することが出来ました。
耳栓を使うと音が小さくなるというより、『無の空間』に近いイメージです。
こちらの方法は私の経験のみなので科学的根拠等はございませんが、静かな空間(耳栓をしていない状態)よりも無の空間のほうがリラックスすることができました。
使う耳栓は安いもので全然構いませんが、耳栓をして寝ると朝のアラームが心配になるため、音量は少し大きめでかけると良いです。
私は起きると必ず耳栓が取れているので音は大きくしていませんが、みなさんがお仕事の日にアラームが聞こえないと大変なので気をつけましょう。
対処法⑩:寝る時は深く呼吸する【4-7-8 呼吸法】
考え事をしてしまうと、ついつい呼吸が浅くなってしまいます。
他の人が寝ているところを見たことがあると思いますが、結構ゆっくり深く呼吸していますよね。なるべく寝ている時に近い状態にするために、深めに呼吸することを意識すると良いです。
深呼吸にはリラックス効果があるため、寝る前に最適です。
ここで一つ、有名な呼吸法を紹介いたします。
- まずは息を吐き切ってから、4秒数えながらゆっくり鼻で息を吸う。
- 次は、取り込んだ酸素を感じるイメージをしながら、7秒息を止める。
- 最後はゆっくり8秒かけて口から息を吐いていく。
- ①〜③を4回以上繰り返す。
1分半程度あればできる簡単な呼吸法なので、寝る前以外でもリラックスしたいときにすぐ実行できます。
対処法⑪:ちょっと良い寝具を買ってみる
寝具にお金をかける余裕のある方は、自分に合った良い寝具を買ってみるのもいいかもしれません。
自分に合っていない寝具だと体を痛めて、次の日の調子や気分が悪くなる可能性があります。自分に合った良い寝具と出会えれば、違和感なく眠りにつくことができ、翌朝スッキリ起きれること間違いないでしょう。
とは言っても、寝具には種類がたくさんあります。枕やマットレス、掛け布団、敷き布団など。
しかもそれらの多くは値段も高く、なおさら何を選んだらいいかわからなくなると思います。
そこで最初にお金をかけるべき寝具としておすすめしたいのが、『枕』です。
手ごろな価格で購入できて、睡眠の質に大きく関わってきます。要するにコスパが良いのです。
「枕の中でも種類がたくさんあってどれがいいのか分からない!」
という方は、その内『1万円前後の枕徹底比較』という記事を公開するので、ぜひチェックしてみてください。
【まとめ】しかし習慣とはすぐには身につかないもの
この長いページを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
このページでは、寝たいのに寝付けない時の細かい原因と、その対処法を紹介しました。
たくさんの対処法を知っていれば知っているほど、どんな状況でも寝付きやすくなります。
しかし、快眠を得るためには短期的なものではなく、習慣化し、長期的なものにしなければ意味がありません。習慣化をするには、毎日その問題に向き合い、かつ長い期間が必要です。
大変な事ではありますが、快眠を得るための努力をする価値は十分にあります。
睡眠の時間は人生において20年分以上あり、他の約60年間を左右するものと言っても全然過言ではありません。20年間の睡眠の質をいかに上げるかによって、人生の幸福度が大きく変わってきます。
なので私は「睡眠には時間もお金もかける価値は大いにある」と思っています。